Lesson 3 歌詞の書き方を教えますー譜面を読むー

譜面を読む

作詞講座・作詞教室と検索してみると、「譜面が読めなくても作詞はできる」「作詞に音楽の知識は不要」というキャッチコピーを沢山、目にします。

それでは実際に譜面が読めず、音楽の知識もなく、音楽制作の現場で活躍をできている作詞家は存在しているのでしょうか?

 

あなたはそのような作詞家が存在すると思われますか?

ぼくは、この作詞家人生で譜面を読むことのできない作詞家に出会ったことはありません。

 

誠実な音楽制作現場では作品資料として音源と共に譜面が送られてきます。

手書き、印刷、現代では様式は様々ではありながら、譜面には作曲家の魂が込められています。

 

作曲家が人生をかけて生み出すメロディー。

1曲1曲の譜面には作曲家としての魂が込められている。

 

譜面を読むことのできない作詞家はそのように譜面を受け取ったとき、どのように対処をするのだろうか。

「譜面読めません」と言えるのだろうか。

譜面を読めなくても作詞はできる・・・。

もしかしたらそのような現場もあるのかもしれないのですが、

少なくとも、ぼくが歌を書いてきた現場ではほとんどの場合、譜面を受け取って書いています。

 

作詞の際、音源だけでの判断では様々な箇所で譜割への解釈のズレが生じます。

この言葉数は3音なのか4音なのか。音源だけではわからないことが譜面には記されています。

 

作曲家は1音1音に意味を持ってメロディーを生み出し、譜面に書き出します。

作曲家へのリスペクトは作詞家としてとても大切なマインドです。

 

作詞講座・作詞教室 ソングライティングセラピー

作詞は音楽制作の重要な一部です

作詞は手紙ではありません。作詞は演説用の原稿でもありません。

愚痴を言う場所でもなければ、他者を責めるような手段でもありません。

 

作詞は音楽を構成するとても重要な要素です。

歌詞の言葉にはハートの内側にある心象風景が描かれています。

 

言葉の意味だけではなく、メロディーに合わせたフロー。響き。抑揚。印象。

メッセージとサウンドの相性。すべてが美しく混ざり合い歌は昇華されます。

 

作曲家は常に新たな世界観を描き出すために、自分自身のクリエイトにチャレンジをしています。

作詞家には作曲家が大切にする一音一音に、応対する言葉で応える義務があります。

 

通常のAメロA”メロ、Bメロ、サビを繰り返しブリッジ、大サビという基本形だけではなく、

新たなチャレンジを試そうとすることはよくあります。

全てがサビだけでできている歌も世の中にはあります。

音楽として、言葉を乗せるとき譜割を確実に把握する方法が譜面読みです。

作詞をする際に譜面は読めなくてもいいなんてことは、

少なくとも大勢のクリエイターが関わる音楽制作の現場においてはあり得ません。

作曲家がピアノでの作曲を行う場合、制作資料として譜面を渡される確率はさらに高くなります。

 

何十年も色あせることのない音楽を

せっかく歌を書くのであれば、何十年も経ったとき、

違う世代の人々が聴いたとしても新鮮なメッセージ、サウンド、ミュージックオーラのある歌を描きたい。

クリエイターの願いです。

 

多くのクリエイターはそうであるように願い、人生をかけて、歌を書くのだと、制作に入ります。

今この時だけウケればいいなんて音楽には少なくとも本物のクリエイターなら興味はないはずです。

 

あなたにもいつまでも自分自身が愛することのできる歌を書いてほしい。

譜面を読む。譜面を理解する。

それは実際、本当に音楽が好きなのであれば、そんなにも難しいことではありません。

 

ミュージシャンの中にも譜面を読めない人もいるという噂のような話から

それなら作詞家ならなおさらと思う人もいるのかもしれませんが、そんなことはありえない。

現場によって確かに譜面よりももっと大切なことがある場合も出てきますが、

その際はなおさら譜面も読めないような状態の作詞家が対応できるような現場ではないとぼくは思います。

 

音楽を楽しみましょう。

作詞をするのであれば心の内側から音楽を楽しみましょう。

心身全体で音楽を楽しみましょう。

 

作詞は手紙ではありません。メールでもありません。単なる詩でもありません。

短歌でもなければ、俳句でもない。

 

歌詞は音楽に乗せる言葉です。歌われる言葉。

幾つの時代を経てもも色あせることのない音楽をクリエイトしたいですね。

 

作曲家、シンガー、制作スタッフすべてへのリスペクトが根底にあって、初めて素晴らしい歌は誕生します。

歌詞は一人で完結するものではありません。

音楽へと昇華していただける方々の力によるところがとても大きいのです。

だからこそ面白く、素敵で、魅力的な作業なのです。

 

一緒に歌についてもっともっと学びましょう。

音楽はあなたの友達です。

 

Makoto ATOZI