作詞講座第四章 歌が魅力的になる8ステップ Step1

作詞講座第四章では、あなたの歌をより魅力的にするための8つのステップをご紹介します。

ステップ1 経験からファンタジーを描く 抽象度を上げる

原則として歌には数パーセントの真実が描かれています。

この割合が100パーセントの歌もあれば5パーセントほどの歌もあります。

どちらが正しいということはありませんが、昔の歌ほどファンタジーなヒット曲が多く、現代は、リアルな歌が多めという印象があります。

リスナーとしても本当のことが描かれている歌の方が心が引き込まれますし共感もしやすいでしょう。

よりリスナーにメッセージ・物語・感情が届くように、ポエジーな要素とファンタジーな情景で豊かな恋愛、人生観の歌になるように書きます。

 

① 経験+知識で深みを描き出す

ファンタジー、物語を作り上げる部分があるからといって、あまりにも現実離れした軽めな歌だと、リスナーの共感を得ることが難しくなります。

暮らしの中の何でもないようなことを歌にするのか。

哲学・思想を盛り込んで男女の恋愛観を悟りの世界まで引き上げて歌にするのか。

4畳半フォークを好む方もいれば、壮大なファンタジー、宇宙スケールでスピリチュアルな歌を好む方もいます。

まるで人気の恋愛ドラマのようなドキドキしてしまうシチュエーションが上手に描かれた歌もあります。

 

このとき、わずかな現実、真実とファンタジーのメッセージをどのように心に迫るような歌にするのか。

それは作家・アーティストが普段どのように考え暮しているのか。

日々の思想がそのまま歌に反映されて映し出されます。

多くの古典・聖典・今注目されている書物を読みましょう。

愛すべき人を心から愛しましょう。

隣人の悲しみに気づける心を養いましょう。

歌には歌詞を書いた人の思想、そのままの姿がダイレクトに映し出されます。

そうして、自分の中で歌で描くメッセージの本筋を何本か決めます。

それはあなたの人生のテーマになります。

人生を通して歌で描くテーマが3本ほどに絞られているなら、歌を書く際に迷うこともブレることもなくなります。

多くの歌で描かれる世界観は基本、ファンタジー。

僕たちが生きているこの世界そのものがうたかたであり陽炎であると見よ、と2400年以上前にブッダも説いています。

エンターティメントの素晴らしさは創造を超えたファンタジーにあるといっても過言ではありません。

どのようにしてリスナーを現実とファンタジーの境目がわからないような物語へと引き込むのか。

それが作詞家の腕の見せ所でもあります。

自分の経験してきたこと、恋愛、友情をベースに物語を妄想空想してよりステキな世界を描き出す。

そうしてメロディーに乗って歌ったときに、新たな奇跡が起きるような、新たな音楽空間が生まれるような歌。

それこそが素晴らしい歌の姿。

ファンタジーはうそを描くのではないのです。あなたの経験・知識から、本当のあなたであればどうするかという恋愛を人生を歌にする。

最高に素敵な主人公が輝いている歌を書いてください。

人生は本来ファンタジーなのです。

② 想像力を掻き立てる

音楽には実体がありません。手で触ることもできません。

それなのに音楽を再生すると、まるで目の前で物語が繰り広げられていくかのように音の世界は広がり始めます。

懐かしい記憶。匂い。言葉。風景の中にある愛しい気持ち。

音楽にはそれらのエナジーをパッケージすることのできる力があります。

 

歌を書く時には自分自身の想像力を掻き立てましょう。

胸をかきむしられるような苛立ちも、切なすぎて眠れないような愛しさも、本当の気持ちを言葉にして、メロディーの力に乗せて放つのです。

 

音の響きの持つ魔法は侮れません。

思わず涙が出てきてしまうような歌もあります。

 

小さな世界観に立ち止まったりせずに、もっともっと大きな気持ちで描きたい世界を見てみましょう。

 

僕たちは移ろいゆく心を自分自身だと思っています。そうして心をコントロールすることができず、描く歌もブレにブレまくるということはあるのです。

 

先ずは本来の自分自身の真っすぐな気持ちをしっかりとハートに確かめること。

誰かの言葉に右往左往するのではなくて、本来の自分自身のスピリットに気づいて歌を書く。

 

抽象度を上げて心と心が通じ合ったときのときめき。安心感。

世界を疑ってしまうときには、疑いの中にある真実をしっかりと描き出す。

 

歌で描く世界は多様で構わないのですが、歌の中に描く精神性はできうる限り高くあるように書く。

 

そうして抽象度を上げて、それでいて体温の感じられる言葉で描かれた歌は、素晴らしい豊かさで想像力を掻き立てます。

 

あなたの歌を聴いたら耳から、心から離れなくなった・・・

そんな言葉を言ってもらえるような歌、書いてみましょうよ。

 

心を整えて、愛をハートにしっかりと歌を書きましょう。

③ スケール観 歌のオーラ

 

時代を経ても色褪せたりしない世界観・スケールで歌を描くにはどのように考えれば良いのでしょうか。

世の中にはコンビニまでふたり歩く道でのこのとを描いている物語もあれば、人生を探求してたどり着いた答えのような歌もあります。

この両者が混ざり合ったような日常を描きながら実はとても深い人生の不思議を歌っているような歌もあります。

 

あなたの歌にエナジーは注がれていますか?

音楽にはエネルギーがあります。だからこそ人々は歓喜し、歌に酔いしれ、時に歌から愛を学ぶこともあるのです。

情熱の滾るようなパワーだけがエナジーではありません。

まるで凪の海のように静か、でも熱く朝焼けや夕焼けに照らされたかのようなエナジーもあります。

 

時代を経ても色あせない歌というと沢山ありますが、多くの名曲は抽象度が高く、スケール感も大きな歌が多い。

そしてスケール感の大きな歌を単なる綺麗事の歌にしないということが、とても難しく、歌を書く上での醍醐味なのです。

 

スケール感の大きな歌を書こうとした時、歌を書き慣れていない人々は形容詞を多用します。

愛しい、切ない、悲しい、眩しい、優しい・・・などの言葉遣いですね。

これらの言葉は一見、メロノリも良く、名曲っぽく響くのですが、実際、言葉に深みを持たせるためにはかなりの智慧が必要になります。

この時に必要なのは知恵ではなく智恵です。叡智のことです。

 

愛、切ない、悲、眩、優しい、という言葉は本来、動詞として活用した時にポエジーが生まれます。

「愛しい」と書くのであれば「愛しい」という言葉に動詞の役割を持たせる。

リスナーが「愛しい」という言葉を聴覚で感じた時、それが動詞のように聴こえハートに響くなら形容詞の扱いに成功しています。

 

ファンタジーだからと宇宙のようなスペースシップのような世界を描くのではなくて、日常の中にある宇宙、人生を描き出す。

それが何十年時代を経て色褪せることのない歌を書くための秘訣であると思います。

 

Makoto ATOZI