Lesson 6 歌詞の書き方を教えます 歌詞のセンテンス

手紙と詩と歌の歌詞

これは作詞のテクニックの部分になりますが、ぼくが作詞を教える際に最初に伝える内容。

歌詞のセンテンスについて、このページでお話しします。

Lesson 6 歌詞の書き方を教えます 歌詞のセンテンス

歌を書きなれていない方々は、多くの場合、手紙、または詩のような歌詞を書いて提出します。

手紙、詩のような歌詞がまちがっているということではないのですが、歌詞は音楽を構成する言葉であり、それは読まれる場合もあれば、耳から届くこともあれば、口で歌うこともあれば、身体で感じ踊ることもあります。

 

では、音楽としての歌詞を書く際には、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。

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センテンスを短くしましょう

初心者の場合どうしても言葉の尺が長くなってしまいます。

歌は大抵、4小節、8小節などのブロックの組み上げでできています。

それらのブロックには作曲家が意図する区切りの場所があり、この区切りの場所を言葉がまたいでしまうと、

聴感上、言葉の意味が曖昧になって届いてしまうのです。

歌は人生と同じく、刹那の連続です。

 

過去があり、今があり、未来があります。

昨日があり、今日があり、明日があります。

 

歌はまるで人生のように歌われ前半から後半へと盛り上がりを見せます。

1行目を今として歌った次には、2行目の今に移り、1行目は過去になります。

3行目はまだ見ぬ未来です。

歌詞カードを読めばわかりますが、音楽として聴いている場合、未来の言葉をリスナーは待っています。

リスナーは瞬間を感じていたい。

いつまでも過去の連続だと疲れてしまいます。

 

今このときに集中して感じる。それが歌の醍醐味。

リスナーは刹那に浸りたいのです。歌に描かれた瞬間瞬間のエナジーに心をときめかせていたいのです。

 

歌詞の場合は手紙などとは違い、1行1行で区切りを設けることが望ましいとされています。

 

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瞬間瞬間を歌にする

たとえば下記のような歌詞があったとします。

 

思い出に立ち止まらないで歩いてそして

ぼくは忘れないで行くから ほらあの日

心のページを開いたら眩しすぎるあの日々がある

 

この歌詞?のどこが手紙のようなのかがわかりますか?

センテンスが長すぎるのと、やはり、意味がよく分からない文章になってしまっているのです。

このような歌詞をブレている歌詞と言います。

これは3行だけですが、この感覚で1曲仕上がったとすると、

歌としてはなかなか聴くのがつらい歌になってしまいます。

間延びをしてしまうからです。

例えばこう直してみます。

 

思い出に立ち止まらない

でも 忘れない

心で開くページ

眩しすぎるMy Friend

 

歌の歌詞として成り立っていることがわかりますか?

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歌を書くということ

作詞とは歌を書く作業です。

歌は歌われ、聴かれ、ときに踊られ、合唱されます。

そのためにはセンテンスを短く要点を絞って、伝えたい事を言葉にします。

そのとき、言葉にはポエジーという詩的感覚が生まれます。

これを霊感的なものと感じることもあります。

センテンスが短く濃密な文章であればあるほどに、語感として意味深くハートに届く。

このことをよく考えながら作詞をしてみましょう。

スカスカの歌詞ではなく、軽やかで涼やかでありながら重く深い歌詞を。

1行1行に魂を込めて書くのです。

優しさと慈しみを込めて。

 

Makoto ATOZI