作詞講座第一章ー2 世界中の涙よ空に愛を歌え 作詞家という仕事

作詞講座第一章 世界中の涙よ空に愛を歌え 

 ① 作詞家という仕事

 

平井堅「楽園」

僕は2000年に平井堅「楽園」により作詞家のキャリアをスタートしました。

デビュー曲がいきなりヒットするという稀有な奇跡を享受しました。

デビュー以後は多くのビッグアーティストからオファーをいただきました。

「楽園」の仕事はコンペで選んでいただき、数カ月の制作期間を経てリリースされましたが、僕自身はこの25年間、不思議とコンペでのリリースは少なかったです。

リリースされた楽曲の多くは「あとじくん、今歌詞書けますか?時間ありますか?」というメール、またはお電話から始まるお仕事ばかりです。

それは今この時も同じで、顔見知りのクリエイター・プロデューサーからある日突然連絡があり、制作が始まる。

いつもどのあたりから仕事が決まるのかなんて予測はつきません。

変化球のような角度から仕事が決まりリリースされることもあります。

人生というのは本当に不思議なものなのだと思います。

 

人生を切り売りする仕事

一時期、作詞をすることが苦しく、どうしようもなくて、もうやめようと思ったことが何度もありました。

普通に考えればわかるように

歌は常にファンタジーではありながらも、必ず、誰かとの物語を歌っています。

歌の中には何らかの形で実在の誰かが登場しています。

自分の恋愛を歌にするというのは本当はとても苦しい作業です。

ましてや一度リリースされれば、生きている間はほぼずっと、描いた音楽はこの世界にあり続けます。

生命を歌う歌、失恋を歌う歌、何も考えていなければ気楽に書けそうなものですが、作詞という作業は極めれば極めるほどに、子のクリエイトの奥深くにある真実に気づかされることになります。

自分の喜びは誰かの悲しみであるかもしれないのです。

ソングライティングセラピー作詞教室では、受講生を否定することはせず、基本肯定の姿勢を貫いていますが、書くことで後々つらくあるであろうことがわかる作品に関しては厳しくお伝えすることもあります。

時代が混迷にあることからか、多くの人々が言葉の扱いに無防備になっています。

いつの日か「この歌を書いてよかった」と思える、あなた自身の投影である素晴らしいファンタジー&エンターティメントを歌にしましょう。

 

クリエイテイブな暮らしの喜び

自分が書いた歌を多くの人々が聴いてくれる。

これはとても大きな喜びです。

プロフェッショナルな作詞家は作詞のことだけを考えて日々を暮らしています。

川べりに羽ばたく蝶々を見て、ステキな歌が生まれることもあります。

歌を書くには哲学・宗教への理解はとても大切なことです。

ハートをメロディーに乗せる。

それが作詞家の仕事ですから、古来からの人々の思想を知ることはとても大切。

グローバルに世の中を見る視点も身についてきます。

「ご職業は?」と聞かれると、僕はいつも「作詞かです」と答えます。

そうすると、必ずと言っていいほど不思議な空気が流れます。

作詞をすることで暮すことができるということが一般的にはなかなか理解できないのです。

田舎であればなおさらのことです。

これからの時代、地方在住の音楽制作者はもっと増えていくことでしょう。

地方のライブももっともっと盛んになることでしょう。

ミニマムになりがちな世の中ではありながら、音楽活動の場は広がりつつあります。

以前のようにCDの売り上げだけでは人気のバロメーターを測ることはできず、YouTube・SNSなどの威力もミュージシャンにとっては大きな力となっています。

これからの時代、もっともっと新たなツールが登場することでしょう。

この激動の時代の中で、あなたは音楽で何を表現して、何を達成したいのか。

一緒に考えましょう。

歌の持つ本来の力を再認識して、豊かなミュージックライフを楽しみましょう。

 

メジャーで書くことだけが作詞家ではありません。

インディーズでもアマチュアでも、何が脚光を浴びるかは全くわからない時代。

 

あなたらしさが輝いているなら其れこそが素晴らしいこと。

 

作詞家という暮らし。

あなたも0からひとつづつ始めてみませんか?

 

Makoto ATOZI