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詩 難破船

川から海へ出でて日は過ぎた 宝島を目指した船の羅針盤は動かず 太陽の下 または雨の下で 私はただ船上で水平線を眺めている 同じように水平線を眺める者 部屋から出てこない者 考えることをやめヴァイオリンを奏でる者 生命は皆 それぞれの思惑に時からはぐれている 難を破るように船は天の地に辿り着くのか 多くの地に降り立ち不思議な景色をたくさん見てきた 大型船と言われているが なんでもありえる世界の中で船はあまりにも小さい この小さな船よ 石を打ち砕き進め 行き先は知らずとも難破の身...
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時代Ⅱ

最近はAMAZONでも古本を購入することができる。 新品を購入してくださいという声が聞こえてきそうだけれど、 沢山の本を読む自分としてはネットでダイレクトに検索・ディグって古本が購入できるという仕組みはとてもありがたい。 尊敬できる人々が読んで良かったと話している本を調べて、 片っ端から購入する。 それらの本は得てして古典が多い。 30年前、50年前、中には100年、200年、数百年以上前の書籍の思想が 今に通用するのかと思いながら手に取り、 ああ、時代は変わってでも真理は真...
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詩 旅人

あの日僕はフランスの古城で ジャンヌダルクの幻を見た 女戦士は手を縛られ 空に祈りを捧げていた 僕はその影を古城の壁に見た 広い世界と 深い記憶 人生の不思議 あれからも様々な場所を旅した それらの記憶は徐々に薄れていった それでも毎日は営まれる この人生という旅もいつの日にか終点に着く 記憶としては消されて なんらかの刻印として 次の生を僕らは生きるのでしょう または輪廻を抜けるのでしょう 旅人よ 自分自身を見よ そして世界を見よ 確かに在る私を 魂と共に 身体を超えた精神...
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詩 雨は降る

雨は降る 雲を連れて 雨は降る それが彼らの仕事だから 静かに雨は降る 雨は落ちる 大地に 雨は落ちる それが彼らの定めだから 大地に雨は落ちる 雨は川に流れ 花に注ぎ 海へ伝う それが彼らの姿だから 地球の色に見える あの子の瞳から雨が降る 少年は太陽で照らそうとする 少年は雲を払い 地平線を現す それが少年の仕事だから 少年は希望を表現する 何があろうとも 少年は希望を表現する
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詩 タイムライン

今は朝の3時。 ここ最近は夜18時頃に就寝して、朝は0時半くらいに起床している。 世間とはかなり異なるタイムラインで、僕の日常は営まれている。 朝の起床から瞑想、読書、食事とルーティーンを行い、 大体、この3時頃から、ようやくPCを開き、 デジタルを解禁する。 僕の日常がこんなだから、飲みのお誘いなども、 伺えないのですよ・・・と不参加ばかり。 それでもこの生活が自分なりのクリエイテイブにピッタリ合っていて、 毎日は心地よく暮らせている。 こちらが起床してから歌詞を提出すると...
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詩 魂の応答

愛と引き換えに 魂は何を知り 羽を広げる 出会い 結合 物語の変遷 私の不在 迷い それは年月日を重ねた 私は今 魂に問う 永遠の生命よ 私の本質よ もう隠れたりしないで 待たせたことを許して 心と身体は生命に添い でしゃばらないから 魂の応答よ 永遠の生命を此処に 遥かな螺旋の記憶 巡り会えた幾億の輝き 光を辿る 魂は応答し 意図を観る 今を創り変える 瞬時に過去 今 未来 遥かな螺旋の記憶 永遠の生命 本質の光 蘇らせて いつのときも魂は 私たちに応答している Makot...
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詩 バタフライ伝説

小川の水面は柔らかく柔らかく それはとろけあう桃のように光り流れる 私が部屋で読書をするときも 目を閉じて呼吸を整えるときも マリオネットの如く内的または外的な 操りの糸に惑うときも 変わることなく小川は流れる 私の今このとき 同じとき 鳥は羽ばたき 車は走る 誰かは何かを考え 誰かと誰かは接吻をしている またはもっと深く 私がひとつくしゃみをしたからといって 川の流れが逆になったりはしないのだけれど 私が何か意図したときに 一羽の蝶が生まれるなんてことは? 私があなたが愛に...
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水の月

水の月  静かに吸って吐き 私は静寂を見る 背中の痒みに 呼吸を整え 感謝を見る 時計の針 壁の軋み 車と風の音 それは静かな トンネルのように 窓の外はまだ薄暗く 朝のシャワーで 髪と足はまだ濡れて 観葉植物が私を見ている 新しい水の月 良き毎日を Makoto ATOZI
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詩 手紙

私たちはいつか異なる言語を話し記憶は無の海 行く場所も来た場所も知らず物語の船は行く 遥か いつかどこかで私に手紙をください私もあなたに手紙を送ります ペンではなく記すのは言葉でもない だからこそきっと きっと 出会ったことにも気づかず私たちは出会うのでしょう そうして出会ったことに気づくのでしょう 船の上では逸れた鳥が行く 鳥たちはまた会えるのでしょうか 壮大な宇宙の秩序物語は私たちに優しくある私にはそう思えるのです Makoto ATOZI
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詩 青い天使たちのコーラス

脳裏に忍び寄るあらゆる毒を飲み尽くし続く太陽の連続 愛と苦悩と歓喜平和とユーモア誠実と狂気を生命は演じ続けている 積み重ねられた想念重きエネルギーから離れ今に在り 汝自身を知るため深い業からの解放のため繰り返される喜劇舞台に立つ 時の川 生命の川を渡り切るまで僕らは台本を知らされず見者であり 愛の人であろうとして演技を続けている 今すぐに すぐにですフィルムを取り替えなさい声が聞こえる フランスの詩人は色彩版画のように言葉を紡いだ死後の評価に喜ぶのではなく今を感じ伝えたい 詩...
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世界中の悲しみよ空に愛を歌え

丘に放たれた群れから 一人一人と羽が生え空へゆく 自分は何者かここは何処か 「それを知るのは最後の時よ」と少女は言う 「あなたは知るかしら」 少女よ あなたは誰なのか 3つの輝く星よ 僕は苦しみを越えた 無数の星の中で輝く星よ それは僕なのか 僕の本質よ 風は強い 丘に立ち僕は未来を意図している この物語は僕が描く 幻のような水平線から目を逸らし少女は言う 「そうよあなたが描いたのよ」 丘に放たれた群れから 無数の音階が鳴り響く パンキッシュで歴史的な音楽たちが 向こう側へ突...
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妄想癖

小さな頃から妄想癖がある。作詞家の素養として必要なことではあるけれど、それに苦しめられるようなこともあった。それなりに大人になり、気づきを知り、自分を俯瞰してみることを覚えると、妄想癖にも新たな楽しみと喜びが加わった。 朝、ウォーキングをしながらふと思う。今のこの崖っぷちにいるような、音楽業界の片隅で、やっとやっと息をしているような作詞家である自分。 もしもこの自分の魂が、マイケルジャクソンならどうするだろうと考える。もしも木村拓哉さんならどうするだろう。谷川俊太郎さんならど...