詩 旅人
あの日僕はフランスの古城で
ジャンヌダルクの幻を見た
女戦士は手を縛られ
空に祈りを捧げていた
僕はその影を古城の壁に見た
広い世界と 深い記憶
人生の不思議
あれからも様々な場所を旅した
それらの記憶は徐々に薄れていった
それでも毎日は営まれる
この人生という旅もいつの日にか終点に着く
記憶としては消されて なんらかの刻印として
次の生を僕らは生きるのでしょう
または輪廻を抜けるのでしょう
旅人よ
自分自身を見よ
そして世界を見よ
確かに在る私を
魂と共に 身体を超えた精神よ
遥かなる旅を
Makoto AZOZI