詩 バタフライ伝説

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小川の水面は柔らかく柔らかく
それはとろけあう桃のように光り流れる

私が部屋で読書をするときも
目を閉じて呼吸を整えるときも
マリオネットの如く内的または外的な
操りの糸に惑うときも

変わることなく小川は流れる
私の今このとき 同じとき
鳥は羽ばたき 車は走る
誰かは何かを考え
誰かと誰かは接吻をしている
またはもっと深く

私がひとつくしゃみをしたからといって
川の流れが逆になったりはしないのだけれど
私が何か意図したときに
一羽の蝶が生まれるなんてことは?

私があなたが愛に満ちるときに
太陽が私たちを抱擁するなんてことは?
川の水面の輝きが変わるなんていうことは?
きっと あるのかもしれないと思うと
とても とても 楽しい

それを私はバタフライ現象のように
バタフライ伝説と呼ぶ

Makoto ATOZI